そもそも習慣って何?
習慣とは、簡単に言えば「繰り返し行うことで、自動的にできるようになった行動」のことです。
例えば、朝起きたらコーヒーを淹れることや、寝る前にスマホをチェックすることも習慣の一部ですね。これらは無意識にやっているので、意志力をほとんど使っていません。
驚くことに、人間の行動の約40%が習慣によって自動化されている(デューク大学)と言われています。
つまり、私たちの行動の半分近くは「何となくやっている」ことなんです。考えてみると、意志力を使わずにこれだけのことがこなせるのは、ある意味、習慣が私たちの「自動操縦モード」として機能しているからなんですね。
意志力には限界がある
「よし、今日から毎日ジョギングしよう!」と気合を入れても、三日坊主で終わった経験はありませんか?実はこれ、意志力には限界があることが原因かもしれません。
意志力は筋肉と同じで、使いすぎると疲れてしまいます。心理学の研究によると、私たちが1日に行う選択や判断の数が多ければ多いほど、意思決定に使えるエネルギーが減っていき、夕方になると「もう何も決めたくない…」という状態に陥ることがあります。これを「意思決定疲れ」と呼びます。
例えば、仕事の後に「今日何食べよう…?」と迷っているうちに、結局いつものファストフードを選んでしまった、気づいたらコンビニスイーツを手に持っていた、なんてこと、ありませんか?
これも意思決定疲れの一種です。ですから、意志力だけに頼ると続けるのが難しくなるんです。
成長するための「自動モード」を作る
じゃあ、どうすれば意志力に頼らずに成長できるのか?それが習慣の力です。習慣を味方につけることで、意志力を使わずに成長の「自動モード」を作ることができます。
ここで大事なのが、「環境をデザインすること」です。
例えば、朝ジョギングを習慣にしたいなら、前の晩にジョギングウェアをベッドのそばに置いておく。これだけで、朝の「面倒くさいな…」という思いを減らし、自然と行動に移しやすくなります。
他にも、ダイエットを例に挙げると、冷蔵庫にヘルシーな食材しか置かないようにすると、自然と健康的な食事を取るようになりますよね。こうやって、環境を整えておけば、意志力をほとんど使わずに自然と良い習慣を実行できるんです。
環境デザインについては、今後たくさん具体的なアイディアを紹介していきたいと思います。
習慣を形成するための3つのステップ
では、どうやって具体的に習慣を形成すればいいのでしょうか?ここでは、シンプルで実践的な3つのステップをご紹介します。
1つ目は、「トリガー」を設定する
新しい習慣を作るには、「トリガー」、いわゆる「行動のきっかけ」をつくることが効果的です。歯を磨くなど、すでに日常の習慣になっているものと結びつけるとより効果を発揮します。
例えば、コーヒーを淹れたら、その間にスクワットをする(私はやってませんが。)、というように、既にある習慣に新しい行動をセットします。トリガーを設定することで、無意識に次の行動が促されるんです。
2つ目は、反応(ルーチン)をデザインする
きっかけに反応して実行される具体的な行動です。この行動は無意識に行われることが多く、日常的な、一般的な行為が該当します。
ルーチンはシンプルであるほど継続しやすく、小さな目標から始めることがオススメです。。
「毎日1時間運動しよう!」と思っても、途中で挫折しがちです。
だから、まずは運動する前の「着替えるだけ」から始めましょう。せっかく着替えたら人間動くものです。たった1分でも行動を続けると、それが次第に当たり前の習慣になります。
3つ目は、報酬を決める
報酬は、ルーチンを実行した結果得られる利益や満足感、ご褒美です。
報酬には物質的なもの(おいしいモノや金銭)から、心理的なもの(達成感や自己満足)まで多岐にわたります。
報酬があることで脳はその行動を記憶し、次回も同じ行動を取るようになります。この報酬によって脳内物質のドーパミンが放出され、習慣化が促進されます。
例えば、カレンダーに毎日チェックをつけたり、「今日はできた!」という達成感があると明日も頑張ろうとなりますよね。誰かに褒めらるために、ちょっとした美味しいご褒美のために頑張った経験は誰にでもあるかと思います。
報酬を決めることは、物凄く重要なポイントになるので、どこかで詳しく説明します。
まとめ
・習慣とは、「繰り返し行うことで、自動的にできるようになった行動」
・意思力は使いすぎると「意思決定疲れ」を起こす
・環境デザインをすることで、習慣化し、自動成長モードをつくる
・習慣形成の3ステップは、「トリガー、ルーチン、報酬」
意志力に頼りすぎず、環境と習慣を整えることで、成長はもっとスムーズに、そして楽になります。私たちの行動の多くは習慣によって自動化されています。だからこそ、その「自動モード」をうまく設計して、自分が成長しやすい環境を作ることが大切です。
次回
さらに深掘りして「意思決定疲れ」について詳しくお話しします。意志力がなぜ疲れてしまうのか、そしてそれをどう克服するか、具体的な方法をご紹介しますので、お楽しみに!